【筋トレ】毎日?10回×3セット?筋肥大に効果的な頻度・回数は?

こんにちは。

前回は、

自分が今持っている筋力以上の重量を上げることで筋肉にストレスがかかり、そこから回復をすることで筋肥大が起こる。

ということを説明しました。

が、

筋トレ始めようと思ったけど、筋トレって実際どのくらいの頻度でやればいいの?

毎日?

週1回?

10×3回?

効果的な方法を知りた~い!

という方のために実際に筋トレをするにあたってどのくらいの頻度・回数でトレーニングをすれば最も効果的なのかということを説明します!

筋肥大に効果的なトレーニング頻度

結論から言うと各部位を週2-3回トレーニングすることがベストです。

※参考論文1

理由

①オーバートレーニング

前回の記事でアナボリックとカタボリックを説明しましたが、

トレーニングはアナボリック作用(筋肉を作る)だけでなくカタボリック作用(筋肉を分解する)も併せ持っています。

研究によると運動後に血液検査を行ったところ、

筋肉を分解するホルモンであるコルチゾールが急激に増加していたことが分かっています。

つまりトレーニングをしすぎると、筋肉の分解が進んでしまうということです。

※参考論文2

②筋タンパク合成の継続時間

筋タンパク合成はトレーニング終了後48時間近くにもわたって起こるため、

同じ筋肉を毎日または中一日で刺激するのは効果が薄いです。

つまり強度の強いトレーニングをした場合、同じ部位を鍛えるのであれば

最低でも48~72時間、つまり2-3日は間を空ける必要があります。

例えば月曜日に胸の筋肉を鍛えたとした場合、次に胸の筋肉を鍛えても良いタイミングは最短でも木曜か金曜ということになります。

※参考論文3-7

別の部位であれば毎日でもOK

同じ部位を鍛えるのであれば2-3日は間を空ける必要があると言いましたが、

他の部位であれば次の日にトレーニングするのも問題ありません。

例えば月曜日に胸のトレーニングを行った場合、脚の筋肉は使われてませんよね?

なので、胸のトレーニングをした翌日でも脚のトレーニングを行うことは問題ありません。

余談ですが、ボディビルダーやジムで見かけるレベルが高い人は、胸や背中、脚を同じ日に鍛えることはあまりありません。

理由は主に2つ。

①一つの部位をトレーニングする方が筋肥大にとって効果的。

例えば胸のトレーニングだけでも、5-7種目くらいのメニューを組んだりします。

できるだけ多くの刺激を与えたほうが筋肉がストレスを感じやすい(よって筋肥大しやすい)のです。

②他の部位もトレーニングするエネルギーがない

5-7種目もメニューをこなしたら、それだけでヘトヘトになってしまいます。

加えて他の部位もトレーニングしようとすると、重量が持てず、筋肉に充分なストレスを与えることができません。

なので、彼らは例えば

月曜日:胸

火曜日:背中

水曜日:脚

など、トレーニングする部位を日ごとに分けていることが多いです。

これを筋トレでは分割法と呼びます。

分割法は

胸・背中・脚・腕・肩をそれぞれ毎日鍛える5分割

胸と腕・脚・背中と肩の3分割

上半身と下半身の2分割

など様々な組み方があります。

もちろん毎日ジムに行けるという方はほとんどいないと思いますので、

ジムに行ける回数別の分割法についてこちらの記事で説明しています。

とにかくここでは、

一つの部位を トレーニングした場合最低でも48~72時間は休ませる必要がある。

ということを頭に入れておいてください。

筋肥大に効果的な回数・セット

さて次に、

どれくらいの重量をどれくらいの回数やるのが効果的か?

ということですが、これに関しては昔からいろいろな議論がなされてきました。

10回をギリギリできるくらいの重量で3セット。つまり10×3。

なんかは聞いたことある方も多いと思います。

ですが、「1セットだけでも十分効果がある」という主張もあり、これに関しては厳密な正解というのはない状況です。

実際の研究でもトレーニングを3セット以上行う事は2セット以下と比較して必ずしも効果があるわけではないと結論付けています。

※参考論文8

また重量に関しても、

3-5回上げるのがギリギリの重量(低レップス)

8-12回上げるのがギリギリの重量(中レップス)

でも、筋肥大効果に大きな差はないということが分かっています。

ただし筋力向上効果は低レップスの方が有利でした

※レップス:トレーニングの動作の回数のこと

ただこれはある意味答えのない問題ですので実際はあまり考えすぎずに

6~10回をギリギリ持てる重量で3セット

を行えば、初心者の場合は充分効果が出るでしょう。

筋肥大に効果的なインターバル

そうそう、セット間のインターバル(休憩)の長さも意外と重要です。

これも「インターバルの時間はできるだけ短い方がよい」「いや長い方が良い」という議論が交わされていますが、

1分間のインターバルと5分間のインターバルとを比較した研究では、

前者はタンパク質合成が76%しか高まらなかったものの、後者は152%高まっていたという結果でした。

つまり、1分程度の短すぎるインターバルは効果が薄いということですね。

※参考論文9

結論としては、インターバルは

肩や腕などの比較的小さい筋肉は2~3分

背中や足胸などの大きい筋肉では4~5分

とると良いでしょう。

といっても、筋トレ初心者の場合は体が慣れていないため、

予想以上に疲れたり、重いものを持つときに息を止めて酸欠気味になってしまったりするので、

インターバルはとりあえずは意識しなくてもいいと思っています。

余談ですが、筋肉には大きい筋肉と小さい筋肉があり、

大きい筋肉:脚・背中・胸など

小さい筋肉:腕・腹筋など

こちらの記事で説明したように、基礎代謝を上げるには大きい筋肉を増やすのが効率的ですので、筋トレメニューも脚や背中、胸を中心に鍛えてあげると良いでしょう。

ちなみにこの脚・背中・胸を鍛えるための初心者から上級者まで行なっている定番メニューに

BIG3 (スクワット・デッドリフト・ベンチプレス)

がありますが、それに関する解説はこちらの記事をどうぞ。

それでは次回はジムに通える回数別に、効果的な分割法について説明したいと思います。

Let’s 筋トレ!

~参考論文~

※1

A meta-analysis to determine the dose response for strength development. Med Sci Sports Exerc. 2003 Mar; 35( 3): 456-64.

※2

Neuromuscular function, hormonal, and mood responses to a professional rugby union match. J Strength Cond Res. 2014 Jan; 28( 1): 194-200. doi: 10. 1519/ JSC. 0 b 013 e 318291 b 726.

※3: Anabolic signaling and protein synthesis in human skeletal muscle after dynamic shortening or lengthening exercise. Am J Physiol Endocrinol Metab. 2006 Apr; 290( 4): E 731-8. Epub 2005 Nov 1.

※4: The time course for elevated muscle protein synthesis following heavy resistance exercise. Can J Appl Physiol. 1995 Dec; 20( 4): 480-6.

※5: Mixed muscle protein synthesis and breakdown after resistance exercise in humans. Am J Physiol. 1997 Jul; 273( 1 Pt 1): E 99-107.

※6: Changes in human muscle protein synthesis after resistance exercise. J Appl Physiol (1985). 1992 Oct; 73( 4): 1383-8

※7: Acute effects of resistance exercise on muscle protein synthesis rate in young and elderly men and women. Am J Physiol. 1993 Aug; 265( 2 Pt 1): E 210-4.

※8: Effect of resistance training set volume on upper body muscle hypertrophy: are more sets really better than less?Clin Physiol Funct Imaging. 2017 Oct 11. doi: 10. 1111/ cpf. 12476.

※9: Short inter-set rest blunts resistance exercise-induced increases in myofibrillar protein synthesis and intracellular signalling in young males. Exp Physiol. 2016 Jul 1; 101( 7): 866-82. doi: 10. 1113/ EP 085647. Epub 2016 Jun 2.