君たちはどう生きるかを読んでみた!

実は本屋でこの本を見つけるまで存在を
知らなかったのですが(お恥ずかしい)、
ストレートな題名と漫画版ということで
とっつきやすいかなと思いジャケ買いしました。
Amazonランキングを見ても結構売れているようですね!

基本的に、主人公のコペル君が生活の中で考えたことと、
その問いかけにおじさんがノートに記した
文書で答えるという構成になっています。
(ので、漫画版ですが途中で文章も結構あります、、)

ざっくりまとめると「立派な人間とは」
そしてまさしく「君たちはどう生きるか」

ということを問いかける本だったと思います。

印象的だった点

①人間とはちっぽけな分子である
(人知れず互いに関わり合っている)

コペル君は銀座のデパートの屋上から眼下の人々をみて、
一人一人の人間は分子のようにちっぽけな存在だと
考えるようになります。それに対しておじさんは、

人間とは子供も、たとえ大人でさえも自己中心的。
いわゆる天動説(地球(自分)の周りを太陽が回っている)的な
生き物だけれど、本来人間は一人一人が人知れず
お互いに関わりあっていて、そのことに気がつくことに
意味がある。

例えばお米ひとつとっても、
作る人、流通させる人、販売する人がいるから
僕たちは食べることができますよね。
(さらにそのための道具を作っている人、
それを支えている人も含めると本当に
繊維のように深く関わりあっています)

毎日の生活に追われていると自分中心で世界を
とらえてしまいがちですが、いったん立ち止まって考えてみると、
周りの、たとえ直接関わりのない人にさえも
感謝の気持ちが生まれてきますね。

②いつだって自分が本当に感じたことや、
 心を動かされたことから出発しよう

学校内で起こったけんかの出来事、自分の考えをおじさんに
話した際の、おじさんからの言葉です。

世間には「立派そうに見える人」がたくさんいます。
だけど、他人の目に自分がどう映るかどうかを優先するあまり、
本来の自分を見失っては意味がありません。
いつだって、自分の心からの感情に従っていなくてはいけないのです。

結構心にきますね、、。笑
いろんな損得勘定や、惰性によって本当の自分の気持ちを
押し殺してしまうこと、結構あると思います。
スティーブ・ジョブスも言っていますが、
自分がすべきでないことに時間をとられていてはいけないんですよね、
人間きっと。

③生み出す人になろう

学校に来なくなった友人を訪ねたコペル君は、
友人が家業の豆腐屋を一生懸命手伝っていることを知ります、、

仮に彼らが貧しいとしても、それを見て自分を誇ったり、
見さげるような心を起こしたらたちまち自分自身が
憐れむべき馬鹿者になってしまう。彼ら生産者こそ、
世の中をその肩にかついでいる立派な人間だ。
君自身は何を作り出しているだろう?
世の中から色々なものを受け取っている
消費専門家になってはいないか?
生産する人と消費する人、この区別を決して見落としてはいけない。
その点からすると、立派な家に住んでいたとしても、
値打ちのない人間の多いことがわかるに違いない。

これは深いですね。。
資本主義社会の中では、単純労働で多くのお金を
手に入れることは難しい一方で、
たとえば株などの投資で簡単にお金を増やせてしまう現実があります。
(もちろんうまくやれれば)
ですが、人間の本来の喜びっていうのは、
世の中に対して意義のあることができている、
プラスの影響を与えられている、という実感だと思うんですよね。
(つまり生産者側に立つこと)
人間っていうのは欲望のかたまりですから(笑)、
欲しがり屋さんの消費専門家になりがちです。
たとえ会社員として働いていたとしても、
この生み出す側としての認識は抜けがちですよね。
自分が世の中に与えられる価値は何なのか?
難しい問いですが、常に心の中心にすえておきたい
大事なことだと思います。

④正しい後悔は背中を押してくれる

約束を破り、友人達を裏切ってしまった後悔の念にさいなまれる
コペル君に対して、お母さん、おじさんからの言葉

後悔による苦痛は、本来自分がどういう状態にありたかったのか、
ということを知らせてくれる。そのおかげで、
自分がどうあるべきか、ということをしっかりと
心にとらえることができる。

「あの時、あんなこと言わなければよかった、、」
「もっとああしてあげればよかった」
など、人間後悔はたくさんありますよね。
けれど、後悔は決してマイナスではなく、
逆に自分がどうありたかったのか?
ということを教えてくれる存在でもあります。

あの後悔があったからこそ、今こうやって出来ている。
という風になったらすばらしいですよね。

さて、「君たちはどう生きるか」
(僕はどう生きよう、、笑)